monsoonrepublicの日記

日々の出来事から考えたことを書きます。

俺のイタリアン、俺のフレンチ

ブックオフの創業者で、「俺のイタリアン、俺のフレンチ」を展開している、坂本孝氏の本を読みました。

 

坂本氏のこれまでの経営や、俺のシリーズの店舗経営について、理念や実態がかなり詳細に記載されています。

 

先ず、この本を読んでいて、飲食業界の収益構造が良くわかり、とても興味深かったです。通常飲食業界のメニューの価格に対する原価率は、30%程度で、フレンチのグランドメゾンといわれる高級店は20%を切るようです。自分の感覚で言うと、目の前に出てきた1000円の料理の材料費が200~300円です、といわれたらちょっと高いな、と思いますが皆さんはどうでしょうか。それを、俺のシリーズの店舗では、60%位までに高めているというのだからちょっと驚きです。しかも安かろう悪かろうではなく、材料は市場で仕入れた良いものを、ミシュランの星付レストランのシェフが調理するのだからなおさらです。

からくりは、立ち飲み形式にして回転率を上げ、間接費等の非材料費のコスト割をを下げているからなのですが、今までのビジネスモデルではこのような高級なものを低価格で、というコンセプト自体があまりなかったのではないかと思いました。

 

次にビジネスの本質部分ですが、坂本氏は、ビジネスで勝つ条件を、①ビジネスモデルに競争優位性があること、②参入障壁が高いこと、を挙げています。では、俺のシリーズのビジネス優位性は何かということですが、それは、人のやる気が他者の追随を許さないところまで高められているからではないかと思いました。料理人の世界はかなり過酷な世界のようですが、そんな中、氏もお客様より従業員を重視すると公言しているように、店舗の料理人に裁量権を与え、自らの事業として店舗経営を行ってもらい、それが料理の質を上げて行くと言うポジティブなスパイラルに仕組みとして仕上げている部分が、既に一つの優位性があるのではないかと思いました。

 

人の可能性を信じて経営を行う、という事業を経営していく上での哲学が具体例とともに惜しみなく記載されていてとても読み応えがある一冊でした。機会があれば俺のシリーズに行ってみようかな。

 

 

Book Kindle